まずは有無をも言わせないテクニックを身につけていること。
そこで彼は修行に出ます。人里離れた山奥での日々の精進の結果、彼は他を寄せ付けぬ技術を身に付けます。
そして彼は自分の村に戻り、その技術への確固たる自信と共に生活をしていました。
村人たちは『10年に一人の逸材』と彼をもてはやし、彼も自負していましたが、ある日彼の演奏…それも彼が自惚するほどの演奏を終えた時、それを聴いていた白髪の老人が一言。
『君の演奏には魂がない。超絶なテクニックや奇抜なソロができたとしても、君にはたった一音だけで人を魅了する演奏はできない。』
それを聞いた彼は雷で頭を撃たれたかのように自分に足りないものに気がついた。
それから彼は老人を師と仰いだが、老人は決して弟子をとることを良しとせず
ただただ『己で気づくことが達人への本道』と言うばかりだった。
老人はある人によればききしに勝る達人であるらしいが、その演奏を聴いたことのある者はおらず、ほどなくして彼は亡くなった。
生前、老人が最後に彼に言い残した言葉は
『本当の達人に楽器は必要でない』
というものだった。
老人の死を機に、彼はふたたび修行のため山にこもった。
楽器と心を一つにし、一音一音に命を与え、鳥のさえずりや川のせせらぎ、風の音や、森の中の静けさ、つまり無音までもが彼の演奏仲間になった。
彼の奏でる音により、動物が喜び、悲しみ、川や森、自然が反応する。
『一音による世界』を彼は感じ、表現できるようになっていった。
他方、彼の村では山籠りにでて数年経っても帰ってこない彼を村人が案じていた。
まさか死んだのではないか‥という噂がたっていたが、そのうち
『彼はものすごい力を手にいれているだろう』という噂が広まるようになった。
噂が一人歩きし、
『彼がひとたび音を発せばいかなる病気でも治癒でき、さらには人をも殺すことができる。』
『彼の演奏は世の中の森羅万象を全て操ることができる。』
などと世間の中では彼と彼の演奏は、いかなる先人もそしてこれからも到達できない域に達している、いわば伝説となっていた。
ほどなくして彼は修行により様々なことを得て生まれ育った故郷へ帰る。
幾年にもわたる山籠りのため、みすぼらしい姿ではあるが、どこか神々しい彼の姿に村人たちは畏怖するようになる。
村に戻って初めての演奏には村中のひとが集まって彼の演奏を聴き入った。
彼の奏でる音で木々はざわめき、風がおこり、赤子は泣きやみ、人々はまるで異世界へ旅したかのような時を味わった。
そしてまた一つ、村人の彼への尊敬と畏怖の気持ちが確信へと近づいた。
以来、彼が道を歩けば人々は彼の演奏を聴いた体験を思い出し、異世界への経験や感情がうずまきがおしよせて、すっかり彼の演奏を聴いた気持ちになった。
彼の演奏仲間は、彼の存在が想像を絶するよりも尊大にして偉大なものになり、恐れ多くも彼を演奏に誘うことはなくなった。
そうした流れは人々の中で彼の存在を無限に大きいものにしていき、彼が姿を見せなくとも、人々は彼を思い出すだけで
たった一度の彼の演奏を思い出すようになった。
彼はもう楽器を弾く必要がなくなった。
彼がその場にいれば、いやその場にいなくとも人々は彼の演奏を克明に経験できるのだから。
彼は思い出した。老人の言葉を。
『本当の達人に楽器は必要でない。』
彼は自分が老人の言う達人になれたことを悟った。
そして彼に楽器は必要でなくなった。
そして数十年の時が流れる。
彼は淡々とした日常を送っている。村の中では相変わらず彼のことは生きた伝説として見られているが、彼はもはや何故村人が自分を尊敬や畏怖の眼差しで見るのかわからなくなっていた。
ある日とある村人が彼を家に招待した。
村人は彼に
『是非娘にピアノを教えてやって欲しい』
と頼んだ。
彼はこの村人が何を言っているのかわからず、返答に困った。
不思議に思った村人は、彼をピアノの前に連れて行き
『良ければ一曲弾いてほしい。長い間聴いていなかった達人の演奏を。』
と言った。
彼の返事はなかった。
彼はなんと言って良いかわからなかった。
彼は眼の前にあるピアノが何なのか、何をするための物なのかが分からなかったのだ。
彼は本当の達人の域に達して数十年、彼は一度も楽器に触れず、彼の存在、醸し出す空気、まさに彼そのものが演奏であり、
その演奏が彼であった。
そして数年後、彼は亡くなった。村人は悲しみ、彼の演奏に満足し、感謝して彼を手厚く葬った。
村人たちは日々彼の演奏を感じていた。達人の演奏に酔いしれない日は一日としてなかった。
しかし、彼が達人となり演奏したのはたったの一度きりしかない。
はーーーい!!!カルメラのキーボードPAKshinです。
そう。リスペクトするアーティストはこんな達人。
でもそんな人聞いたことない。
ただ単に僕の妄想です。
あとあんまりアーティストとか知らんのですよ。
自分本位。
凄い人とか一日ずつ寿命来てしまえ!!と思う。
そしたら時期、自分がナンバーワン!!!!!
でもほんまに一日ずつ寿命がきても自分がナンバーワンになるのは遠い未来の話やでっちゅうことですわ。。
よし!がんばります!!あさってぐらいから頑張ります!!!!
コメント